パンチャカルマ*panchakarma 浄化療法
南インド カヌールのそばの小さな村カタンパリー*Katampallyのアーユルヴェーダ病院 PVAにて、アーユルヴェーダの勉強に行きました。
当初は日数が少ないと浄化療法パンチャカルマは受けられない事を知っていたので、受けられないと思っていましたが、医院長のDr.Poilan ポーラン先生から、診察をして頂いたときに、ギリギリ受けられることを伝えて頂き、私の仕事の疲労からも勧められ、勉強をしながら、受けられることが決まりました。
まず、ドーシャ*doshaのバランスを診察して頂きました。
生活習慣や、血圧、月経、尿の色や匂い、便の状態、頻度、舌の状態、今抱えている問題、小さい頃の病気などから私のドーシャを観て頂きました。私はピッタ多めの ピッタ・ヴァータと診断を受けました。ほとんどの方が、2つのドーシャのバランスで診断されます。
ドーシャとは...
この世に偏在するありとあらゆるものは、地水火風空の五大エレメントから構成される
ヴァータ*Vata ピッタ*Pitta カファ*Kapha
という3つのドーシャから成り立っていることが考えられるのが、アーユルヴェーダの核となるDosha理論です。体質と訳されますが、一つのドーシャが増えすぎると病気になることから病素とも訳されます。
一人一人生まれつき、受け継いだ性質であるプラクリティ*prakritiを持っており、それに準じて体格や気質などが決められていることが基本的な考えです。自分のドーシャバランスが現状に近づいているときに、自分らしく健康で幸せな状態に至ります。
パンチャカルマはこのドーシャバランスを整えるために、内側に溜まった毒素を排泄して行きます。
サンスクリット語で「パンチャ(pancha)=5つ」の「カルマ(karma)=行為」の意味です。
1 オイルでゆるめる(前処置)
2 発汗で液状にして、体のすみずみから一カ所に集める(前処置)
3 一気に流し出す(本処置)
『パンチャカルマ(パンチャ=5、カルマ=方法)の意味する5つの本処理の方法1 嘔吐法、2 下剤法、3 浣腸法、4 点鼻法、5 瀉血法を示します。』
4 養生してしっかり復活(後処置)
わたしが処方されたパンチャカルマの内容です。
◯1 オイルでゆるめる(前処置)
スネハパナ*Snehapanam
ギー(医療用に作られた澄ましバター)を4日間飲む。
一日目 50ml 二日目 100ml 三日目 150ml 四日目200ml
これがパンチャカルマで一番大変な200mlのギーです。目隠しをし、ライムを舌にこすりながら、飲み干します。ほんとにほんとに大変でした。このスネハパナを呑んでいる間は消化能力が低いので、身体をとても弱くなります。私も授業を受けながら、だったのでとても大変で、ほとんどベットの上で過ごしました。また、3日目には低血圧になり真っ青になりクラスを途中退席させられました。ライススープを頂いたら体調も回復しました。一日ライススープと小さなクラッカーしか食べれないので、4日間の身体をオイルで満たしていくことは大変でした。
これが、スネハパナを受けている間に食べられるライススープです。ただ、オイルを呑んだ後は消化を促すために、白湯をちびちびと飲み、ほんとうにほんとうにお腹が空いてからしかライススープは頂けません。
日本のお粥のお湯が少し多いような感じのものです。お腹が空いていたので、おいしく感じました。
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◯2 発汗で液状にして、体のすみずみから一カ所に集める(前処置)
朝7時からアビヤンガ*Abhyanga (テーブルマッサージ)7日間
ふんどし一枚になり、2人のセラピストに左右同時にハーブオイルで全身のマッサージを受けました。ドーシャに合わせたハーブオイルを身体の内部に浸透させ、溜まった老廃物や毒素アーマ*Amaを剥がして、ハーブスチームバスに入り、発汗により一気に外に排出させます。テーブルの上に座り、まずマルマ(つぼ)おでこの上、耳の後ろ、掌の真ん中、足の裏の真ん中にオイルを乗せます。そこからテーブルの上を転がるように異動しながら、全身のマッサージを受けました。朝から2人にマッサージを受け、ハーブスチームバスにとても気持ちよかったです。
写真は私が実際にクラスで学んだアビヤンガの写真です。2人で呼吸を合わせながらマッサージをするのがポイントで、下から上へと行うリンパマッサージとは違い、心臓から四肢の方向へとマッサージをするのがAyurvedaのマッサージ方法で、全身のスロータス*Strotusと言われる管の通りを良くし、血液の流れ、リンパ液の流れを良くします。
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◯タイラダーラ*Thailadhara
額にオイルを垂らす施術を18:00に7日間。
アーユルヴェーダというとこの額に垂らすシロラダーラが有名ですが、ドーシャのバランスの診察によっては受けられないこともあります。
一番気持ちのよいものでした、リラックスしてくると眠くなってきます。ハーブが入っているので少しすっとします。私は疲労が溜まっていたので、リラックス効果のあるものでしたが、人に寄ってはミルクオイルなどで温かくないものもあります。7日間受けている間は頭を洗うことはできません。出かけるときは少し不便でしたが、Ayurvedaの根付いているケララではみんなパンチャカルマを受けていることを知っているので、ペタペタの頭でも大丈夫でした♡毎日オイルで頭をマッサージされ、ゴシゴシと拭き取ってくれるので汚い感じはありませんでした。
真剣な表情の私ですが、実践で学びました。温めたオイルを常温のオイルに混ぜ、ちょうど良い温度にしたオイルを瓶から垂らします。額から2本指離した位置から垂らします。この調整が難しいです:)
この作業も2人で行い、一人が瓶を動かし、一人がオイルを注いだり、ヘッドや髪のマッサージを行います。
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◯ナッシヤン*Nasyam
タイラダーラ*Thailadharaの後にナッシヤンを7日間受けました。
サンスクリット語で「ナサ(nasa)=鼻」の意味です。
毎日やると良いと言われるナッシヤンです。
顔をマッサージし、スチームタオルで温めます。頭を下にするようにしっかり顎を上げ、鼻から一人一人の体質に合った方法で、ハーブオイルプラティマッシャ*Prathimarshaまたはマッシャ*Mashaを2滴から10滴症状に合わせ垂らします。私はMashaを4滴垂らしました。そして、鼻を下から脳の方へマッサージし、鼻から脳へオイルを浸透させます。鼻に溜まったハーブオイルを吐き出して老廃物を排出させる療法です。治療後は頭がすっきりし、頭痛など頭に関する様々な病気に高い効果があります。また、慢性的な鼻の粘膜に関する疾患や花粉症のようなアレルギー性のトラブルなど、鼻のつまりや不快を排泄させ、緩和させる効果、記憶力が良くなる効果もあります。
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◯3 一気に流し出す(本処置)
ヴァスティ*Vasti
下剤法を帰国の前日に行いました。
朝7時にあたためたミルク半分と医療用に作られた下剤効果のあるオイルを呑みます。
そこから4時間くらいで7回ほど排泄がありすべて出します。最初の2段階の前処置なくしては、未消化物 アーマ*Amaというこびりついた毒素や汚れたドーシャ*Doshaなどをしっかりと体外に排出することができず、体への負担も大きく危険です。ヴァスティVastiの日もライススープしか食べれません。
2時にはすっかりオイルも抜け、外出し、最後のケララを楽しむことができました♡
夜明け前のブラフマ・ムルフタ*Brahmamuhurth 夜明け前の96分間が一番神聖な時間とされ、
Yogaの練習や瞑想をAyurvedaでは薦めています。
ほぼ体調が良いときは毎朝5:30に起床し、Katampallyの川から夜明けを眺めながら、Yogaや瞑想、呼吸法を行いました。Yogaの後、朝からトリートメントを受け、授業を受け、そしてまたトリートメントを受け、
すべてが終わったあとは、肌も潤い、浄化療法の名前の通り浄化されたような感覚でした。
パンチャカルマの間食前・食後に呑んでいた薬を呑み、パンチャカルマを受けた倍の時間養生する(4 養生してしっかり復活(後処置))ことでさらなる効果があるようです。
私は1ヶ月ほどあるので、いつものハードワークにならないように、ゆったりと過ごして行きたいと思います。
サントーシマ香先生が薦めていたパンチャカルマを、受けることができてよかったです。
少しでも多くの方に、YogaやAyurvedaの知識に興味を持って頂き、
健康なライフスタイル、ホリスティックなケアをお届けできればと思います。